月に吠える

He's walking on with the regular tune.
Lonely, slowly, howling for the Moon...
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柏とたい焼き
 人生7回目の引越しをした。
3年に一度はやたらと重い洗濯機と冷蔵庫をえっちらおっちら運んでいることになる。
厳密的には運んでいるのは僕ではなく業者さんであり、それらより重い本が詰まったダンボール箱もあるのだけど、割愛させていただく。

つまるところ、引越しというのはめんどくさい。
一番の原因は、いちいち箱につめないといけないところだと思う。
例えば、今回の引越しで最大の容積を誇った、我が書籍たち。
数にして数百冊。
内訳は半分がマンガで半分が小説。
よく考えてみてほしい。
これらを箱につめるということは、いちいち手にとって表紙を眺め、「あ、こんなところに眠っていたのか」とか「なんでのだめの14巻だけないとやー」とか「やっべ、これ久しぶりに読みたい!ってか今から読む!」などなど、やたらめったら時間のかかってしまう作業であるわけだ。
もう着なくなった服は簡単に捨てられるくせに、書籍はまったく捨てられない性分なので、すべてに目を通さない限り終わることもない。
そして気づけば夕方になっていて、引越しに伴う役所周りは、性急さを求められながらもどんどんと延期させられていくのだ。
なんてこったい。
なんかこう、すべてを一瞬でパックにできる機械とかないかしら。
さて、箱につめる作業をなんとか乗り越えても、次に待っているのは箱から出す作業である。
どかーん!
本末転倒な気がしないでもないけれど、これを経なきゃ快適な暮らしが保障されるとはいいがたい。
そして、ああ、悲しい性よ。
箱から出すときももちろん、授業中の窓際から校庭を眺める思春期の少女のように、愛しい表紙を眺めては「ほぅ」とため息をつくのだ。
うーん、甘酸っぱい。

と、いうわけでなんとか部屋も片付いたところで、柏市役所へ転入届を出しに行くことにした。
こんなもの、それこそメールでできないものかと思うけど、本人確認しづらいからなんだろうなぁ。
柏の市役所は絵に描いたような市役所だった。
つまり、ボロかった。
常々役所というものは出費削減の第一目標であり、それこそプレハブよろしくな建物だと相場が決まっている(と勝手に思っている)ものだ。
でも世の中は広かった。
というか、東京はスケールが違った。
文京区役所はその名もシビックセンター。
26階+地下2階の実質28階建て。
タワーだよ、こんなのタワーでいいよもう・・・。
きっと真ん中で二つに割れて、中から勇者王がゾンダーを光に変えるために出撃してくるんだよ・・・。
転入手続きも20分ほどで終わり、次は柏警察署まで免許の住所変更へ。
これまた絵に描いたような警察署だった。
とかく、ボロかったわけではない。
代わりに、10階建てはありそうな屋上から「日本一安全な街 柏」をいう紅白の垂れ幕が風に揺れているではないか。
警察って、なんでか評語とか川柳とか好きだよね。
きっとこれにはわけがあるんだと思う。
普段はヤ○ザと見分けのつかない強面のデカたちも、歌を詠むことだけが唯一の心の平穏・・・。
月に一回は歌会なんか開いちゃったりして。
みんなでお茶菓子を摘みながら、車座になって抑えきれないあのヒトへの思いを歌に託すのだ・・・。
そんなわけあるか。

柏駅に戻ってきて、帰りのバスを待っていた。
三浦しをんのエッセイを読みながら、バス停に立っていただけなのに、5分ほどの待ち時間で2回も声をかけられた。
一人目は70過ぎくらいの婆ちゃんで、どのバスに乗ればいいのか聞いてきた。
もちろん柏の街なんて市役所と警察署しか知らないので、とりあえずふんふん頷いておいた。
するとこのばあちゃん、「ほら、あっちの道通ったらコジマ電気が先に見えてくるでしょ?あたしそっちは遠回りだと思うのよね。だからこっちのバスに乗ったほうがいいと思うのよ」と言い出した。
婆ちゃん、そこまで知っていてなぜ尋ねてきた。
二人目は40歳ほどの女性で、いかにも中小企業の事務やってますといった格好をしていた。
この女性は「循環(バス)待ってるんですか」と聞いてきた。
「いえ、越してきたばかりでわかりませんし、僕は乗りませんので・・・」
ていうか、目の前に大きく書いてあるだろう!
僕がふぬけた顔でたっていたからなのか(ただ疲れていただけだ)
やたらパステルカラーな服装をしていたからなのか(だって、地味な格好好きなんだもの)
後ろの高島屋で買ったタイ焼きをぶら下げていたからなのか(百貨店の和菓子巡りはやめられない)
それとも、つい先日越してきたことを知ってる誰かが差し向けた新手のいじめなのか・・・。

ところがどっこい。
読んでいた本にも集中できなくなってかばんにしまった。
ふと隣を見ると、先ほど話しかけてきた二人がバスの行き先について話を始めている。
おしゃべり好きな人たちだったのか、と一人納得していると、今度は通りすがりの老夫婦まで取っ捕まえてバス停談義を始めてしまった。
いや、何の因果で声をかけたんだ!
4人は話し込み、ああでもない、こうでもないと終わりのない議論を繰り返している。
そりゃそうだ。
話の内容に聞き耳を立てていると、みんな「柏に住んで長いのに」つまり「バスの行き先、通り道をみんな知っているのに」わざわざ議論の題材にしているからなのだ。
目的のバスが到着すると、話しかけてきた女性二人はバスに乗り込み、老夫婦はそのまま去っていた。
つまるところ、この人たちはバスの待ち時間に話し相手がほしかっただけなのだろう。
初対面の相手にひるむことなくどうでもいい話を持ちかける人々。
うーん、柏よ。
「日本一安全な街」とはこういうことか。




※三浦しをんに触発されて、今回はエッセイ調でお送りしました。
| Andante (日常) | 00:46 | comments(2) |
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本を出すくだりの甘酸っぱい感じのとこは
こべ氏が多量の段ボールに囲まれながら
床にぺったり座り込み(正座から、そのままお尻を床につてけるアレ)
本を片手にうっとりしてる図が瞬時に思い浮かんだんだが
それで間違いないですか(真顔)

なんにせよ年上女性におモテになるようで、羨ましいかぎりです。
| たけし | 2009/10/02 8:19 AM |
通学かばんを後ろでに持って、地面の小石を蹴とばしながら、校門で気になるあの子の姿を待っている姿・・・。
とかでもよかったですね〜。
本だけはどんどん増えていくから、困ったもんです。

昔からなぜか奥様方にはめっぽう強いんですよね。
通称マダムキラー。
顔見たらお金をくれるおばちゃんがいっぱいいます。
| こべ | 2009/10/02 10:23 PM |











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